2011年7月6日に「RED EMOTION 〜希望〜」でメジャーデビューしたν[NEU]から、メジャー2ndシングル「カレイドスコープ/cube」が届けられた。今作はよりバンドサウンドを意識したアレンジを施し、ROCKバンドとしての自信や成長がひしひしと感じられる作品に仕上がっている。そんな彼ら5人に今作についてはもちろん、「SPRING ONEMAN TOUR 2012」への意気込みを訊いた。
取材・文:山本貴也
――初登場となりますのでまずはバンド名の由来から教えてください。
ヒィロ:新しいことに挑戦したいっていうコンセプトでこのバンドを作ったんですけど、“NEW MUSIC”=新しい音楽、“NEW STYLE”=新しい形、“NEW VISION”=新しい視点、を僕ら5人で捉えて、とにかくヴィジュアル系の中で新しい風を作りたいなということで付けました。
――2011年7月6日に『RED EMOTION 〜希望〜』でメジャーデビューをして、インディーズとメジャーで何か変わったことはありましたか?
みつ:5人とも同じことを思ってると思うんですけど、一番はすごい多くの人が関わってくれるようになって、それってある意味プレッシャーかなって思ってたんですけど、実際中に入ってみるとメンバーと同じぐらいν[NEU]というバンドを愛してくれる人がすごく増えたんです。家族が増えたというかそれぐらいすごく温かい感じに色んな人が入ってくれたのが一番の変化ですね。
ヒィロ:(インディーズの頃も)色んな人が携わってくれてν[NEU]が大きくなったんですけど、自分達が描いてたメジャーって、何かしら縛られたり、何か制限されることが多いのかなって思ってたんですけど、実際いってみると、それとは全く逆で、音楽をやることに対して100%応援してくれる場所で、環境もインディーズの頃とは全然違うし、メジャーになって今まで以上に曲作りや音楽に対する気持ちが変わりましたね。
華遊:より音楽の素晴らしさを知らされたというか、ラジオとかに出させてもらったりして、より音楽に触れあう機会とか、世の中には音楽がいっぱい溢れてるってことに気付かされて、改めて音楽の素晴らしさを学びましたね。
タクミ:責任感が強くなりました。1人の責任が皆の責任っていうのがすごくわかりましたね。
ЯeI :単純にすごくたくさんの人に聴いてもらえるチャンスだと思うし、たくさんの人に聴いてもらえる環境にもなったし、届けたい想いっていうのが伝わりやすい環境になったのかなと思いますね。
――メジャー2ndシングル『カレイドスコープ/cube』がリリースされますが、制作にあたり何かコンセプトはありましたか?
ヒィロ:どちらかというと今までの僕らって「明るい」とか「ポップ」とか「楽しい」っていうのを基調に、外見もそうだし、音楽もそういうのを押してきてたんですけど、2作目はそういうのを良い意味で裏切りたいなって皆で話し合って、今までなかった黒い衣装とか、今までシンセ主体だった音楽をバンド主体に変えたりとか、今までとは変えた形を出したかったんですよ。
――シンセとかも入ってますけど、たしかにサウンドの軸はバンドサウンドになってますね。歌い方もすごく男らしくなったというか表現力が増したなと思いましたし。
みつ:届けるってことよりも、誇示するというか、見せつけるというか、自分が前に出た時にそれが道しるべになるというか、そういうイメージは自分の中でありましたね。
――「カレイドスコープ」はどんなイメージで作曲したんですか?
ヒィロ:元々はメジャーデビューの選曲会の時にあった曲なんですけど、自分の中ではB面候補で作った曲で、その時もROCK調テイストの曲だったんですけど、今のサビはなくて、今のBメロが元々のサビだったんです。シングル化されるって話になった時に新しくサビを加えようってなって、5人でバンドアレンジを重ねて、同期がなくても成立する曲を1曲作りたくて作りました。
――ギターのリフもROCKですよね。
タクミ:やっぱりROCKを一番表現できるのはギターなのでそこは意識しました。音使いは聴いてくださいって感じですね(笑)。
ヒィロ:僕らもずっとシンセに頼りっ放しのバンドだったので、そこをあえて2作目では変えたくて。
華遊:僕はどちらかというとヴォーカルに近い側のギターを弾いてたので、ヴォーカルに絡むアルペジオとか、世界観を広げるような音色を使ったりしました。
――ЯeIさんはいかがですか?ЯeIさんのドラムって何か華がありますよね?
ЯeI :いやいやいや、自分では自信持ってますけど(笑)。見た目も重要視してて、叩くパフォーマンスとかにも結構こだわってます。もちろん音にもこだわりがあって、フォームとか姿勢も正して1発1発の音をすごく意識して叩いてます。
――少し専門的な話になっちゃいますけど、スネアの位置に特徴がありますよね?ЯeIさん節というか……。
みつ:あの取りずらい位置ね(笑)。
一同:(爆笑)。
みつ:こっちとしては大変だったんですよ……。(リズムを)合わせるまでに2年かかりましたから(笑)。
ヒィロ:あの溜まってる感じがね。
――歌詞についてはいかがですか?
みつ:インディーズの頃に戻るんですけど、インディーズの頃って「自分はこうです。」、「ν[NEU]はこうです。」っていうのを歌詞にしてたことがすごく多くて、メジャーデビューがきっかけに何が変わったって、聴いてくれる人に“何を与えられるか”が一番大事なんだなって。それがないと誰かの為にやってる必要がなくなるんだなってことを、デビューをきっかけに学んだことだったり、感じたことであって、前作(『RED EMOTION 〜希望〜』)は“希望”を届けるっていうのがテーマだったんですけど、今回はちょっと方向が変わって、自分が思ってることを表現するんですけど、それをあくまで自己満で終わらずというか、前までだったら葛藤とか色んな影とか光とか色々ある中で自己解決だったんですよ。暗い陰の部分、影の部分を見せた上で、だからこそ光の見える部分が目立つというか見えてくるのかなって思って、先頭に立って見本になるっていったら変な言い方ですけど、そういうのを出したくて書きました。
――伝えたいことはすごくポジティブですよね?
みつ:そうなんですよ。今までだったら結局ネガティブにマイナスにしかいかなかったんですけど、やっぱり音楽の意味というか、音楽が何の為にあるのかな?って考えた時に、結局は“支え”なのかなって。そういう意味で絶対に前向きにはなってますね。
――インディーズの頃とは物事に対しての捉え方が変わったということですね。
みつ:だいぶ違いますね。こうして音楽をやらせてもらえてるのは、聴いてくれてる人がいるからできるんだなっていうことを本当に実感できてるのでそれが形になってますね。
――「カレイドスコープ」というタイトルにした理由は?
みつ:最初からこのタイトルが決まってたわけじゃないんですけど、テーマとして光と影じゃないですけど、暗いものとその中に見える綺麗なものっていうか、カラフルなとか“極彩的”な輝いてるものっていうのがテーマだったんですよ。それを例えた時にはっきり「ここにゴールがあります!」って言いたいわけじゃなくて、遠くに薄らあるのかもしれないなみたいな。「cube」と同じになっちゃうんですけど、ちょっと幻想的というか掴めない実態のないものが表現したくて、その時に万華鏡っていう筒を覗く感じとか、掴めない感じがすごくいいなと思って「カレイドスコープ」にしました。
――続いてダブルA面の「cube」ですが、こちらはいかがでしょうか?
ヒィロ:インディーズラストに作った曲なんですけど、音源化されるとは思ってなかったんですよ。
みつ:リーダー(ヒィロ)がインディーズで溜めこんできた毒素を抜こうっていうのがテーマです(笑)。
ヒィロ:毒抜きで溜め込んだモノを吐き出した曲を作ってこいと言われまして……。自分的にはコテコテのその時好きだったテクノとかエレクトロとかそっち系の暗いダークな曲を作りたくて持っていったんですけど、ちょっと暗すぎてね……。
一同:(笑)。
ヒィロ:イントロからマイナー調ですごくダークな感じでBまでいくんですけど、今のサビはすごく華やかになりましたけど、前の時はサビまで暗いみたいなね(笑)。ボツになりそうだったので、好きにやっちゃっていいからサビメロを作ってくれって頼みました。
――それで新たにみつさんがサビを?
みつ:そうですね。元々AもBもサビもないみたいな感じの曲で、いつもだったらν[NEU]の曲ってメロがすごく重視されるので、(曲の)進行が結構はっきりしてるものが多かったんですけど、さっき言ったようにインディーズの頃の集大成の曲なので、例えばAメロはバンドの中で意外と面倒臭いことをやってたりするんですけど、グルーヴがすごく出るアレジをしてたので、そこに歌も楽器の1つとして、楽器を弾いてるかのように歌って、サビはこの曲をすごく映えさせるようなメロディを考えました。
――イントロの世界観が何とも言えない不思議な感じですよね。ライヴで初めて聴いた時からずっと気になってたんですよ。
みつ:あのクセになる気持ち悪い感じというか(笑)。この曲も音源にならないと思って昔からライヴでやってたんですけど、ファンの子もそうだし、事務所の人、メンバーもそうなんですけど、この曲が持ってるパワーによって音源化までいったというか。ファンの子から聴きたいっていう声とか、関係者の方にそうやって言ってもらえたおかげで音源化までいったんですよ。
ЯeI :今まではCD先行でライヴでやってっていう形だったんですけど、この曲がν[NEU]にとって初めて、先にライヴでやって曲を育ててっていう形だったので、フレーズとかもどんどん進化していったし、こういう形でできたっていうのは良かったですね。レコーディングもライヴ感を想像しながら叩けたし、こういう形はまたあってもいいんじゃないかなって思いますね。ファンの子達と一緒に育てて、良い時期がきたらレコーディングしてCDに詰め込むっていう形は素敵だなって思いましたね。
タクミ:僕は結構好き放題やらせてもらってる感じなんですよ。Aメロは3回とも全部違うフレーズで、1人で勝手にギターバトルしてるみたいな感じにしてみました。サビ前がやっぱり僕の中の肝でありまして、サビで開ける為に細かいんですけど、掛け合いフレーズの上昇フレーズを入れ込んでるんですよ。そのおかげでサビがより一層良くなりましたね(笑)。
華遊:サビでは歌詞に合うようなフレーズで世界観を広げるようなアルペジオを弾きまして、Aメロはシンプルにいってるんですけど、シンプルにいってる分リズムを重視して弾くことができたので、身体全体を使って気持ちよく弾けましたね。
――歌詞についてはいかがですか?2曲とも“旅”がテーマなのかなと思ったんですが。
みつ:そう言われるとそうかもしれないですね。自分の中では「生きてる日々」とか「人生観」のような、どっちもすごく幻想的なものを見てる部分でいたいっていうのをテーマにしてて、ν[NEU]のイメージにない部分を出してみようというか、そういう意味では今までとは少し違う形になってたりすると思うんですよ。
――ボーナストラックの「Lily」(通常盤のみ収録)はいかがでしょうか?
ヒィロ:この3曲の中では一番古い曲なんですけど、2曲と対比してメチャクチャ明るい世界観を持った本当に前しか向いてないぐらい明るい楽曲なんですけど、当時はそういう音楽を自分達で伝える自信というか技量がなかったので一度お蔵入りしてたんです。『カレイドスコープ/cube』が出ることが決まって、ボーナストラックに何を入れようか?って話をした時に、(お蔵入りして)1年以上経ってたんですけど、すぐにこの曲が浮かんで「もうこれしかないな」って。光と闇とか、陰と陽な形で3曲をうまく引き立たせる為にバランスを考えて、アレンジもとにかく明るい感じでメジャー感をフルに出して改めて作り直しました。
――歌詞についてはいかがですか?
みつ:「カレイドスコープ」、「cube」、「Lily」の3曲で1つの作品っていうのをすごく意識してたので、「カレイドスコープ」、「cube」で影の部分を出した分、「Lily」でν[NEU]に引き戻すというか、たぶん「カレイドスコープ/cube」と「Lily」ってν[NEU]の両極端に位置すると思うんです。だから歌詞も本当に濁り無しで書こうと思って、リーダーがさっき言ったように、当時じゃ説得力が無いんで、薄っぺらいというか中身のない歌になってたと思うんです。それを今やっと歌えるかなと思って書きました。きっとあの頃じゃ書けなかったし、恥ずかしくて歌えなかったんじゃないですかね。
――この3曲で一番ν[NEU]っぽい曲ですよね。
ヒィロ:たぶん一番ν[NEU]ぽいと思います。
みつ:らしさはすごくあると思いますね。
――タイトルを「Lily」にしたのは?
みつ:いつも曲はリーダーが分かりやすいように仮タイトルを付けるんですけど、その時の仮タイトルが「Lily」だったんです。いつもは変えたりするんですけど、この曲はもう意味とかあんまり分かってなくても「Lily」って響きで「絶対これだ!」って決めてたんですよ。それでちゃんと調べたり色々考えた上で、「Lily」ってユリなんですけど、花言葉が、「純潔」「純粋」「純白」みたいな意味がでぴったりだなと思って。
――ν[NEU]にとって『カレイドスコープ/cube』はどんな一枚になりましたか?
ЯeI :本当にメジャーになって、すごく色々考えてすごく成長したと思うんですよ。そこで今回ROCK色が強くて、嘘偽りがない自分達の表現できる音っていうのが、1枚出したことによってちょっと確立できたからこそ、この『カレイドスコープ/cube』が出せたと思うんで、これを出してまたすごい自信に繋がったし、今後が楽しみになるような1枚ですね。
タクミ:ν[NEU]の真実みたいな感じかなと思ってるんですよ。(メンバー)皆が思ったようにやってるっていうのが、3曲聴いて伝わってきたんで、それが今のν[NEU]の気持ちなのかなと思います。
華遊:「cube」のギターを録ったのが1年ぐらい前で、「カレイドスコープ」はメジャーデビューして少し経ってから録って、「Lily」は最近録ったので、進化が見える1枚だと思うんですよね。今後が期待できる感じになりました。
ヒィロ:『RED EMOTION 〜希望〜』を作った時に、僕ら自身音楽に対してすごく葛藤してる部分があって、でもそのメジャーデビューシングルを作って、初めて5人でちゃんとした楽曲って言い方は変なんですけど、(5人で)真剣に向き合って音楽を作ることの楽しみを知ったので、それから作った曲は、過去の曲を否定はしないですけど全然やってて手応えが違うんですよ。それから『カレイドスコープ/cube』を作ったので、これからがν[NEU]のちゃんとしたメジャーとしての作品なのかなっていう感じがしますね。
みつ:可能性っていう言葉がすごく合うなと思った3曲だったんですけど、さっきも言いましたけど「cube」は初めての録り方で、それって自分達の想像しなかったものがファンの子から返ってきて力になったものだし、「カレイドスコープ」は今までにない、ν[NEU]といったらこれってものをぶち壊した印象の曲になりましたし、「Lily」は本当に昔からあるν[NEU]の本質っぽさが入ってるし、3曲一緒のCDに入ってるとは思えないCDになったなと思って、「ν[NEU]ってこうじゃなきゃダメだよね」って今まで縛られた部分があったんですけど、これができたらこの5人が集まった時に今やりたい音楽ってこうじゃないのかなって、そういうのをすごく選べるようになったので、可能性が増えたし可能性が出てくるようなCDになったかなと思いますね。
――PVも2曲ともかっこいいですよね。
みつ:見てもらえるとわかるんですけど、「カレイドスコープ」がCG一切なしで、「cube」がもろ全部CGで、そういう意味ではすごく楽しくなってるなと思いますね。PVを作る時って、そのシングル、その音楽に合わせて全部変えてるんですよ。音源によって、歌詞も衣装もPVもメロも全部なんで、全部1個で見てほしいです。曲も3曲一緒に聴いてほしいし、PVも両方見て全部見てほしいし、それでなんとなくこの為にこうなったんだなって繋がってくれたら嬉しいです。
――それでは最後に「SPRING ONEMAN TOUR 2012」への意気込みをお願いします。
ЯeI :そこにかけてるっていえばかけてるんですけど、本当に1本1本のライヴの一瞬一瞬を本当に大事にしていきたいなと思ってるし、常に俺ららしく精一杯伝えていければいいんじゃないかなと思ってます。
タクミ:ワンマンってν[NEU]に興味ない人って来ないと思うんですよ。せっかく興味もってくれたからにはやっぱり次も来たいと思えるとか、どんどん広めてくれる程の衝撃を与えたいですね。僕の地元仙台での初ワンマンもあるので、今は仙台と言えば伊達正宗なので、仙台と言えばタクミと言われるぐらいの大きさにならないとなと思います。
華遊:ワンマンって1つの節目だと思ってて、僕らもその日の為に全力で駆け抜けていくし、3月ということなので、卒業シーズンだったり、進級シーズンなので、僕らも次のステップに進級できるようにステップアップの春を迎えたいです。
ヒィロ:3月30日に赤坂BLITZのFINALがあるんですけど、1年前に地震があったじゃないですか、その時僕らもちょうどメジャーデビュー発表のライヴが延期になりまして、その地震の間2週間僕らもメンバーに会えなかったり、ちょうど丸1年前のことなんですけどすごく気持ちが変わると思うんですよね。バンドを今やれてることに対してすごく感謝をして、いつできなくなるかわからないし、でもやれてる以上は限界までやらないといけないと思ってるので、やるからには音楽を通して、まずは今回の5カ所に“希望”を届けにいけたらなと思ってます。
みつ:今たぶん俺はバンドに生かされてるんですよ。バンドをやってなかったらきっとろくでもない、何にも残らない人生だったんじゃないかなって思うぐらい。ワンマンもそうだけど本当は何処でもいいんです。1本でも1本ずつでも、もちろんそれの節目としてのワンマンなんですけど、やっぱり来てくれてる人に、すごく変な言い方ですけど“生きる糧”になるようなライヴをしたいですよね。パワーを与えるのか植え付けるのかわからないですけど、そんな何かを与える残すライヴにしたいと思っているので、本当に1人でも多くの人が来てくれたら嬉しいですね。